DASHI SOLUTIONだしソリューションvol.16
安全安心なプラントベース開発
●和風だし業界のプラントベース
和風だしを代表する商品は
「だしの素」「めんつゆ」「だしパック」の3品です。
これらは主に鰹節と昆布のうま味の相乗効果が特徴です。
しかし鰹節を使用すればアニマルベースとなります。
プラントベースにするためには代替原料を見つけなければなりません。
鰹節は核酸のイノシン酸のうま味が特徴的ですがイノシン酸は肉や魚に多いため、プラントベースの代替鰹節を見つけ出すのは骨の折れる事になります。
●ナチュラルなプラントベース
いくら植物系の原材料でも食品添加物や化学的な加工技術により作られたものでは安心・安全の面で問題とされる場合もあります。
自然なプラントベースを求める人達のためにはナチュラルなプラントベースの開発が必要となります。
そのためには、液体クロマトグラフィ、味覚センサー、味グラフなどの分析技術を利用して天然素材に含有するうま味成分を調査し、最適な代替原料を見つけ出す作業が必要となります。
●安全安心なプラントベース商品づくり
「ブドウ糖果糖液糖」「グルタミン酸ソーダ」「タンパク加水分解物」「酵母エキス」等は注意すべき原材料です。
ブドウ糖果糖液糖は、トウモロコシ原料を遺伝子組み換え酵素で分解して作られる場合が多いようです。
タンパク加水分解物は、塩酸分解の中和の際にMCP,DCPといった発がん性物質が産生されることが知られています。
また、無添加表示の商品に使用されている酵母エキスも遺伝子組み換え技術を使ってうま味を増強しています。
私達は、安全安心な原材料によるプラントベースフードのご提案を目指しています。
感謝
マエカワテイスト株式会社
前川隆嗣
Dr.Toshi(ドクター・トシ)の
ミニ講座 Vol.88
シイタケの香り(レンチオニン)
今回は「レンチオニン」について紹介するね。
それは何ですか?とても興味があります。
まず、シイタケにはうま味成分が含まれているほかに、いろいろな健康効果を紹介してきましたが覚えているかな?
はい、覚えています。
コレステロールを低下させたり、カルシウムの吸収を促進します。
コレステロールを低下させたり、カルシウムの吸収を促進します。
そうだね。これらはシイタケに含まれているいろいろな化合物と関係があるんだよ。
うま味成分がグアニル酸、コレステロールを下げるのが食物繊維とエリタデニン、そしてカルシウムの吸収と関係しているのがビタミンDだったね。
うま味成分がグアニル酸、コレステロールを下げるのが食物繊維とエリタデニン、そしてカルシウムの吸収と関係しているのがビタミンDだったね。
このほかトレハロースもありました。
よく覚えているね。
これは天然の糖質で最近広く使われているね。
では復習として、乾しいたけからうま味成分であるグアニル酸を引き出すためのポイントを覚えているね。
これは天然の糖質で最近広く使われているね。
では復習として、乾しいたけからうま味成分であるグアニル酸を引き出すためのポイントを覚えているね。
はい、水で戻すことが大切です。
よく覚えているね。乾しいたけに含まれている核酸を酵素のはたらきでグアニル酸に代えるために水や60℃くらいのお湯を使ったね。
これは酵素の働きを利用しているためだね。
これは酵素の働きを利用しているためだね。
60℃以上にすると酵素が壊れてしまうのですよね。
その通りだね。
それでは、シイタケの香気成分である「レンチオニン」を説明するね。
それでは、シイタケの香気成分である「レンチオニン」を説明するね。
お吸い物のあの香りですか。
そうだね。生しいたけには含まれない成分で、乾ししいたけを戻したりする時に出てくるんだよ。
つまりこれはレンチニン酸が酵素によって香気成分のレンチオニンに変化するんだよ。
この酵素は5℃では活性の低下はあまり認められないが、40℃になると短時間でも活性が大きく低下するんだね*。
つまりこれはレンチニン酸が酵素によって香気成分のレンチオニンに変化するんだよ。
この酵素は5℃では活性の低下はあまり認められないが、40℃になると短時間でも活性が大きく低下するんだね*。
なるほど!
それからレンチオニンの生成量は加熱10分後に最高値に達することが分かっている。
戻しが低温のものほど生成量が多くなっている*。つまりこれも冷水で戻した方が良い理由の一つだね。
また加熱してもできるだけ短い時間がいいんだよ。
戻しが低温のものほど生成量が多くなっている*。つまりこれも冷水で戻した方が良い理由の一つだね。
また加熱してもできるだけ短い時間がいいんだよ。
温度や時間一つ一つに理由があるんですね。
昔からの生活の知恵だね。
ついでにレンチオニンには、血小板の凝集を抑える作用があるので、血栓症の予防に効果的といわれている。
ついでにレンチオニンには、血小板の凝集を抑える作用があるので、血栓症の予防に効果的といわれている。
*出典:佐々木ら、1993.
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