DASHI SOLUTIONだしソリューションvol.27

だしソリューション だしソリューション

植物原料100%のダシ

●なぜ、植物原料なのか

これは「2048年問題」から始まりました。2006年にアメリカの科学雑誌「サイエンス」に掲載された論文で「2048年には海から食用魚がいなくなる」と発表されました。削りぶしメーカーとしては大問題です。原料が無くなってしまうからです。この対策として「植物原料」によるダシの開発を始めました。


●植物原料を使ってうま味が出せるのか

一番気になるのは、十分にうま味が出せるのか、という疑問です。食品の第一条件は「おいしい」ことです。動物原料と比べて植物原料は一般的に味は薄いと言われることもあります。私たちは、天然だしの専門メーカーとして開発に取り組み、キノコと海藻と野菜の組合せで「ベジつゆ」という第1号のうどんだしを開発しました。箕面EXPOや大阪青山大学内のイベントでベジつゆうどんを提供し好評を得ています。


●味覚センサーを利用した開発

人による官能試験と共に味覚センサーによるデジタル分析を取り入れた研究開発により、甘味・うま味を増強する植物由来のコク味物質を利用しさらに進化した商品をお届けする予定です。食品添加物(キャリーオーバーおよび加工助剤は除く)や酵母エキス、たんぱく加水分解物等を使用しない植物原料100%のダシにご期待下さい。

感謝
マエカワテイスト株式会社
前川隆嗣

Dr.Toshi(ドクター・トシ)の
ミニ講座 Vol.99

栄養素とうま味

Dr.Toshi
今日はうま味成分について話をするね。
Jr.
栄養素とは違うのですか?
Dr.Toshi
良いところに気づいたね。それではまず栄養素のことから紹介すると・・・
Jr.
たんぱく質や炭水化物(糖質)、脂質のことですか。
Dr.Toshi
そうだね。以前は三大栄養素と言われていたのだが、最近はエネルギー産生栄養素と名前が変わったんだ。
Jr.
そうですか。
Dr.Toshi
これらの栄養素は消化管で分解され、主に小腸から吸収され、肝臓などでエネルギーになるんだよ。
Jr.
たんぱく質はアミノ酸に分解されるのですね。
Dr.Toshi
そうだね。糖質はグルコース、つまりブドウ糖、脂質は脂肪酸とグリセロールになって吸収されるんだ。そしてグルコースは細胞の中でエネルギーに変換される。
Jr.
なるほど。
Dr.Toshi
脂質もたんぱく質もエネルギーに変換されるので、エネルギー産生栄養素と言うんだ。
Jr.
この栄養素とうま味は違うのですか。
Dr.Toshi
良いところに気づいたね。同じものもあるが、違っているものや良く分かっていないものもあるんだよ。
Jr.
難しいのですね。
Dr.Toshi
うま味は、4つの基本味である甘味、酸味、塩味、苦味の後に見つけられたので、第5の味とされているんだ。うま味は基本味から作ることができないので、独立した味になっているんだよ。
Jr.
分かりました。
Dr.Toshi
これらの基本味は非常に複雑で正確にはまだ分からないところが沢山あるのだが、化学物質によって表すことができるんだよ。例えば、塩味は塩化ナトリウムとして評価することができるね。
Jr.
そうですね。
Dr.Toshi
しかし、塩化カリウムや炭酸ナトリウムなどでも塩味を感じることができる。
Jr.
なるほど。
Dr.Toshi
うま味の成分としては、アミノ酸系、核酸系、有機酸系と3つ分かれている。たんぱく質には味はないが、たんぱく質の構造が壊れてアミノ酸になると初めて味が感じられるんだよ。
Jr.
それがグルタミン酸ですか。
Dr.Toshi
良く知っているね。料理のだしを取る時に昆布が使われているね。
Jr.
はい、使っています。
Dr.Toshi
この昆布のうま味成分を突き詰めていったら、グルタミン酸にたどり着いたんだ。最初に見つけられたうま味成分として良く知られているね。そしてグルタミン酸は肉や魚、野菜などにも含まれているね。
Jr.
どのように感じているのですか。
Dr.Toshi
まず食物中の味分子が唾液等の液体に溶け込み、舌にある味を感じる味蕾(みらい)の中にある味細胞(みさいぼう)を刺激するんだ。そして、うま味の刺激を脳に伝えているんだよ。
Jr.
そうですか。良く分かりました。ところでアミノ酸にはいろいろな味があるんですか。
Dr.Toshi
うま味だけではなく、その他の甘味、酸味、苦味も含まれているよ。たとえばグルタミン酸とアスパラギン酸はうま味、グリシンやアラニンは甘味、フェニルアラニンやメチオニンは苦味を感じるんだよ。
Jr.
いろいろな味があるんですね。
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