だしソリューション vol.29 | マエカワテイスト株式会社 | 醤油の名産地播州・世界文化遺産姫路城の麓から歴史と美味しさをお届けします。

DASHI SOLUTIONだしソリューションvol.29

だしパック選択の時代

●だしパックの過去

煮干や削りぶしを簡単に抽出できる「簡便化」メリットにより、だしパックが普及しました。業務用においても、「だしパック＋かえし」という調理法により飲食店での人気商品となりました。

●だしパックの現在

削りぶしや昆布等の天然原料ではなく、グルタミン酸ソーダ等の食品添加物や酵母エキス等の加工調味料、食塩等を使用して「省コスト化」や「省力化」を打ち出した製品も市販されています。種類が増えすぎて、選択が難しい時代となっています。目的や用途を明確にして頂く事が重要となっています。

●だしパックの未来

環境変動に対して「グリーン化」の動きも予測されます。動物原料から植物原料への転換が始まります。食用魚がゼロとなる2048年問題が発表されていますが、実際には、2030年辺りから影響が出てくるものと予測されます。弊社では植物原料100%のものを「ベジだしパック」と名付けています。椎茸、昆布、トマト、その他の野菜類などの植物由来原料で環境にも人にも優しい天然のだしパックをお届けすることが使命と考えています。

感謝
マエカワテイスト株式会社
前川隆嗣

Dr.Toshi(ドクター・トシ)の
ミニ講座 Vol.101

グルタミン酸の生産

アミノ酸にいろいろなうま味があることは分かったかな。

はい、グルタミン酸やアスパラギン酸がうま味の正体です。

そうだね。それがわかると私たちはこんなことを考える。

どんなことですか。

グルタミン酸をたくさん集めようとするんだよ。

どうするのですか。

まず考えたことは、小麦や大豆を分解してアミノ酸を得るんだ。

種子に含まれているたんぱく質を分解するのですか？

そうだね。たんぱく質をアミノ酸まで分解するんだ。

うまくいったのですか？

グルタミン酸は分離できたのだが、非常に高価なものになってしまうんだよ。

なかなか難しいですね。

そこでいろいろと考えた結果、微生物を利用して増やすことを思いついたんだ。

微生物ですか。怖いですね。

病原菌ではないよ。コリネ菌といって、放線菌に似たもので、通常ヒトの皮膚や粘膜、腸内粘膜に常在しているんだよ。

この菌がグルタミン酸を作るのですか。

そうだね。この菌にはいろいろな種類があり、私たちが利用しているのはうま味調味料としてグルタミン酸を生産しているグルタミン酸産生コリネ菌というんだね。

そんなことができるのですか。

この菌は自分が必要としている以上にグルタミン酸を産生して、分泌していることが分かったんだね。

へー。ミラクルですね。

これを発酵法というんだよ。

アルコール発酵と同じですか？

原理的には同じだね。

なるほど。

微生物はいろいろな特徴を持っているので、グルタミン酸の他に、リシンやスレオニンもこの発酵法で作ることができるんだ。

凄いですね。

これらは食品添加物などに使われているんだよ。

また新しい発見がありました。今日は有難うございました。

ところで一つ報告があるのだが、来年は2025年日本国際博覧会があるね。

はい、2025大阪・関西万博ですね。楽しみです。

私たちマエカワテイストも参加することが決まったんだよ。大阪青山大学と一緒に出るんだよ。

本当ですか。それはすごい。

そこで、次回（来年）からは持続可能な未来社会を目指してSDGｓとこれに関連して植物性原料のみから造ったベジだしのはなしをしていくね。いいかな。

面白そうですね。楽しみです。よろしくお願いします。