だしソリューション vol.22 | マエカワテイスト株式会社 | 醤油の名産地播州・世界文化遺産姫路城の麓から歴史と美味しさをお届けします。

DASHI SOLUTIONだしソリューションvol.22

「だし」とベジタリアン

●ベジタリアン(菜食主義者)の種類

肉食から非動物性食への動きがみられる欧州市場ですが日本市場においても徐々
に飲食店や小売店にも散見されるようになりつつあります。
一般に日本の飲食業界では「プラントベースフード」と呼ばれており、欧州の細分化された市場とは異なっています。
世界のベジタリアンには例えば下記のような種類があります。
①セミベジタリアン(フレキシタリアン)
②チキン(ポーヨー)ベジタリアン
③ペスコベジタリアン(ペスクタリアン)
④ラクトオボベジタリアン
⑤オボベジタリアン
⑥ラクトベジタリアン
⑦ヴィーガン(ピュアベジタリアン)
⑧ダイエタリーヴィーガン
⑨ローヴィーガン
⑩マクロビアン
⑪フルタリアン

●ベジタリアン(菜食主義者)と日本の「だし」

日本の「だし」は、かつおぶし、こんぶ、煮干、椎茸が代表的な原料ですがかつおぶしと煮干は動物性食材ですから、こんぶと椎茸がベジタリアン向けのだし原料となります。
こんぶはグルタミン酸、椎茸はグアニル酸が豊富であり、相乗効果も期待されます。
私たちはこれらの植物由来のだし商品を「プラントベース・テイスト™」と名付けて、ベジタリアン食をおいしくする「だし商品づくり」をめざしています。

感謝
マエカワテイスト株式会社
前川隆嗣

Dr.Toshi(ドクター・トシ)の
ミニ講座 Vol.94

核酸系のうま味成分とは

いいところに気が付いたね。これら核酸はアミノ酸とは違う成分だね。

うま味成分として、イノシン酸やグアニル酸が知られていますが、アミノ酸とは違うのですか。

核酸はもともと細胞の中に入っている遺伝物質だね。

いったい核酸とは何ですか？

そうだね。私たちが食べている食品となるような生物のすべて細胞に含まれているんだよ。

遺伝物質ですか？

そうだね。ところでATP を知っているかね。

なんだか難しそうですが、毎日摂取している物質ですか？

これは遺伝物質ではないが、遺伝物質の一部が変化したものだよ。
アデノシンと言う物質にリン酸が3個結合したものだね。

何か聞いたことがあります。

生体内では高エネルギー物質として、いろいろな化学反応に使われているんだ。

なるほど。

核酸を構成するヌクレオチド（塩基と糖が結合した化合物の一種）にはアデノシン以外に、グアノシン、シチジンやウリジンがあるんだよ。
そしてこれらが多数、結合して長くなったものがDNAという遺伝物質だね。

アデノシン３リン酸ですね。

遺伝物質としてはDNAのほかに、RNAと言うのもあるんだ。
DNAとRNAを合わせて核酸と呼んでいるんだよ。

はい！

核酸が古くなると分解されたり、新しく作り直されることがあるんだね。

良く分かりましたが、うま味とはどのような関係があるのですか。

そうだね。この分解過程で産生されるものとしてグアニル酸やイノシン酸があるんだ。

再利用ですか。

グアニル酸は核酸を構成する物質そのもので、それ自体がうま味成分だね。
イノシン酸は核酸の構成物質ではないんだが、核酸が分解される過程でできてくるものだ。

グアニル酸はしいたけのうま味成分ですね。

そうだね。それから酵母RNA分解物から見つけられたキサンチル酸もうま味成分として食品中に含まれている。このようなことから、これらを合わせて核酸系のうま味成分と呼ばれているんだ。

イノシン酸はかつお節などのうま味成分ですね。

良く分かりました。有難うございました。